17戦全勝のウバーリか、23度目の世界戦のドネアか。WBC世界バンタム級タイトルマッチ「ノルディーヌ・ウバーリ対ノニト・ドネア」を、WOWOWにて生中継!

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(写真左より)ノルディーヌ・ウバーリ、ノニト・ドネア  クレジット/ノニト・ドネア (C)NAOKI FUKUDA
V3狙うサウスポー王者 vs 元5階級制覇王者
17戦全勝のウバーリか 23度目の世界戦のドネアか

 コロナ禍のなか何度も組まれては延期を繰り返してきた注目カードが、やっと実現する。ふたりは2019年11月7日、さいたまスーパーアリーナで井上尚弥・拓真の兄弟(大橋)との試合で日本でも雄姿は披露済みだ。その日、WBC世界バンタム級王者のノルディーヌ・ウバーリ(34=フランス)は暫定王者の井上拓真からダウンを奪って12回判定勝ち。WBAスーパー王者だったノニト・ドネア(38=フィリピン/アメリカ)はWBA王座とIBF王座を持つ井上尚弥との「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」決勝戦に臨んだが、11回にダウンを喫して判定で敗れた。

筋骨隆々の体からテンポよく打ち込んでくるウバーリ
 ウバーリはモロッコ系のフランス人で、アマチュア時代には2008年北京五輪と2012年ロンドン五輪に出場した実績を持っている。北京ではライト・フライ級で金メダルを獲得するゾウ・シミン(中国)に敗れ3回戦進出ならず。ロンドンでは準々決勝でマイケル・コンラン(アイルランド)に敗れてフライ級ベスト8に甘んじた。アマチュア戦績は223戦207勝16敗(諸説あり)ともいわれる。
 2014年3月にモロッコでプロデビュー戦を行い、4回判定勝ち。地域王座獲得を経てトップ戦線に割り込み、2019年1月、ラウシー・ウォーレン(アメリカ)に競り勝って空位のWBC世界バンタム級王座を獲得した。初防衛戦ではアーサー・ビリャヌエバ(フィリピン)を6回終了で棄権に追い込み、4ヵ月後に井上拓真を下して団体内の王座を統一するとともにV2を果たした。
 身長は161センチと小柄だが、鍛え抜かれた上半身は筋骨隆々だ。その体を左構えにして短い間合いでポンポンとテンポよくパンチを繰り出してくる。肉体から想像するほどのパワーは感じられないが、むしろ井上拓真からダウンを奪った左のようにタイミングのいいパンチの方が印象に残る。反面、終盤になって失速することが多い点や耐久力には課題と疑問が残る。

一撃必倒の左フックと井上尚弥をグラつかせた右ストレートを持つドネア
 ドネアは17歳のときに全米選手権ライト・フライ級優勝などアマチュアで86戦78勝(8KO)8敗の戦績を残し、2001年2月にプロデビューした。今年がキャリア20年の節目ということになる。2007年7月、飛ぶ鳥を落とす勢いだったIBF世界フライ級王者のビック・ダルチニャン(アルメニア)を鮮やかな左カウンターで斬って落とし、世界の舞台にセンセーショナルなかたちで登場。以後、スーパー・フライ級(暫定王座)、バンタム級、スーパー・バンタム級、フェザー級と5階級を制覇してきた。
 体格差を痛感させられたあとはバンタム級に戻り、WBSSに参戦。2018年11月の準々決勝でWBAスーパー王座を獲得し、初防衛戦では十八番の左フックを炸裂させて6回KO勝ちを収めた。決勝では井上尚弥に敗れたが、株を落とすような内容ではなかった。
 ドネア=左フック という連想ができるほどで、それが5階級制覇王者の最も得意なパンチであることは間違いない。さすがに近年は20代のときのような絶妙なタイミングやコンパクトさは感じられないが、相手に警戒心を植え付ける効果があることも忘れてはなるまい。もちろん井上尚弥を窮地に追い込んだ右ストレートやインサイドから突き上げるアッパーなどパンチは多彩だ。また、世界戦だけで22戦(17勝11KO5敗)という経験値の高さもドネアの強みだ。

素早く出入りするウバーリ ドネアはカウンター狙いか
 ともに2019年11月のさいたまスーパーアリーナ以来、約1年半ぶりのリングとなるため、まずはコンディションに注目が集まる。特に井上尚弥と歴史に残る激闘を展開した38歳のドネアの調子が気になるところだ。
 両者は2019年1月、ウバーリがサウスポーのウォーレンに挑戦する際にスパーリングの経験がある。その際にWBAスーパー王者だったドネアが左構えで臨んだのかどうかは不明だが、互いに体の大きさやパワーなど大まかなことは感触として残っているはず。そうしたデータが生きるのか、あるいはマイナス作用を及ぼすのか、そのあたりも興味深いところだ。
 サウスポーのウバーリが立ち位置を変えながらテンポよく左右のパンチを繰り出し、ドネアがじりじりとプレッシャーをかける展開が予想される。ドネアは攻撃的なサウスポーに対しては苦手意識がなさそうだが、動きの速いサウスポーとの相性は良くない。ウバーリはジェシー・マグダレノ(アメリカ=2016年11月、ドネアに12回判定勝ち)のように動いて的を絞らせず、打っては離れてポイントを奪っていく作戦をイメージしているのではないだろうか。その出入りのタイミングにドネアが左フック、あるいは右ストレートを合わせることができるか。
 4団体の王座統一を狙う井上尚弥にとって、WBC王座はターゲットとなっているものでもある。その大舞台に上がる権利をウバーリがキープするのか、それともドネアが奪い取るのか。

◆◆◆WOWOW番組情報◆◆◆

★『生中継!エキサイトマッチSP「ウバーリvsドネア」』
【放送日】5月30日(日)午前11:00~[WOWOWプライム]
・WBC世界バンタム級タイトルマッチ/ノルディーヌ・ウバーリ vs ノニト・ドネア

★『生中継!エキサイトマッチSP「フロイド・メイウェザーvsローガン・ポール」』
【放送日】6月7日(月)午前10:00~[WOWOWライブ]
・スペシャルマッチ/フロイド・メイウェザー vs ローガン・ポール
・WBA世界L・ヘビー級タイトルマッチ/ジャン・パスカル vs バドゥ・ジャック

★『生中継!エキサイトマッチSP「井上尚弥」ラスベガス防衛戦!』
【放送日】6月20日(日)午前10:30~[WOWOWプライム]
・WBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチ/井上尚弥 vs マイケル・ダスマリナス

★『生中継!エキサイトマッチSP「中谷正義vsワシル・ロマチェンコ」』
【放送日】6月27日(日)午前11:00~[WOWOWプライム]
・ライト級12回戦/中谷正義 vs ワシル・ロマチェンコ

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