劇場公開する全国の映画館がシェアするバーチャル・スクリーン『Reel』始動。

有限責任事業組合Incline

Inclineは、これまでの映画エコシステムと共存し持続可能な映画館支援を目的に、映画館での劇場公開と連動するバーチャル・スクリーン『Reel』を今冬ローンチします。

インターネット配信による映画鑑賞の選択肢は、今日ますます日常に浸透しています。一方で、我々Inclineではコロナの影響の長期化を前提として、継続可能な映画館支援の必要性から「オンライン化が加速する中において、リアルの映画エコシステムを持続させる」ということを念頭に、同時オンライン公開のためのプラットフォームの検討を重ねてきました。

映画館上映に対し、オンライン映画鑑賞の存在感も大きくなってきている今、全国のミニシアターが今後も継続してゆくにはどうしたらよいか。これまでの劇場上映の配給・興行システムとオンラインでの鑑賞がどのような形であれば両立できるのか。映画を愛する人に多様な映画を届け続けるために、どのような仕組みがあるべきか、私たちは考え続けました。
そして、配給時の新しい選択肢となり、映画にまつわるエコシステムを発展・継続する仕組みとして、劇場公開中の新作映画を、オンラインで鑑賞することのできるプラットフォーム『Reel』を始めることになりました。

映画館のスクリーンに バーチャルで もうひとつスクリーンを加えてみる

『Reel』は映画館での劇場公開に連動したバーチャル・スクリーンです。
『Reel』で上映される作品は、映画館で実際に上映されている期間に限り、劇場一般料金と同料金=1,800円(予定)でオンライン鑑賞できます。劇場公開が始まる日に『Reel』での公開をスタートし、あらかじめ定めた期間ののちオンライン公開を終了します。
売上は、配信手数料を差し引き、通常の映画興行と同様に配給と劇場とで分配します。複数の劇場で上映される場合は、配信の売上を各劇場に均等に配分します。オンライン上映で発生する利益を、デジタルが浸透している都市だけでなく地方の劇場にも等しく分配することで、日本全体の映画文化を担保し続けようとするアクションであり、リアルとバーチャルでの映画鑑賞の体験を、相互に補完する狙いもあります。
『Reel』に第一回作品として迎えるのは、第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した濱口竜介監督『偶然と想像』です(12月17日Bunkamuraル・シネマ他全国一斉公開)。
『Reel』は、コロナ禍で様々な困難に直面せざるを得ない劇場公開時に、配給/劇場両者の「これまで」と「これから」をつなぐ、持続可能な劇場公開の選択肢となることを願っています。

コンセプト

~ オンライン上のもうひとつのスクリーン ~
◯劇場公開する全国の映画館がシェアするバーチャル・スクリーン
◯全国の映画館で支えるプレミアムVOD
・オンライン上映は映画館での上映期間に限定
・通常の映画興行と同様に配給と劇場とで売上分配

劇場均等割配分とその狙い

オンライン同時公開によって、今まで取りこぼしていた商圏内外の映画館に行かない、あるいは行きたいが困難な人々、そして大ヒット拡大公開時の席数以上の潜在観客へも、劇場公開中に鑑賞機会を作ることができます。
ただし、鑑賞人数の総数は変わらずに劇場動員の一部がオンラインに流れると仮定するなら、この配分方法(均等割)は、劇場動員が大きくなるであろう東京や大都市の劇場が相対的に不利になる可能性があります。今回は、開館以来初の日本映画として本作を迎える東京・渋谷のBunkamuraル・シネマ関係者の皆様にも本取り組みをご理解いただき実現する運びとなりました。

「Reel」では、小・中規模映画の製作・配給・興行のエコシステムが中長期的に保全され、全国的に満遍なく文化資本が底上げされ、適正に更新されていくことを願っています。
これまで1世紀を超えて培ってきた世界的な文化、つまり映画館で映画を鑑賞できる文化・環境を今後も持続していくためにはオンラインで鑑賞することを無視することはあまり有効ではない、むしろ自分たちの手元にもう一つのバーチャル・スクリーンを携えていくことによって、劇場上映の価値を高めていくことを目指したいと考えています。

願いとしては、一つの作品が長く、さまざまな劇場で上映が続くことです。

第一弾作品 濱口竜介監督「偶然と想像」について

第71回ベルリン国際映画祭 審査員グランプリ(銀熊賞) 受賞
「偶然」と「想像」をテーマにした3話オムニバスから成る、『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督初の短編集

■第1話 『魔法(よりもっと不確か)』
撮影帰りのタクシーの中、モデルの芽衣子(古川琴音)は、仲の良いヘアメイクのつぐみ(玄理)から、彼女が最近会った気になる男性(中島歩)との惚気話を聞かされる。つぐみが先に下車したあと、ひとり車内に残った芽衣子が運転手に告げた行き先は──。

■第2話 『扉は開けたままで』
作家で教授の瀬川(渋川清彦)は、出席日数の足りないゼミ生・佐々木(甲斐翔真)の単位取得を認めず、佐々木の就職内定は取り消しに。逆恨みをした彼は、同級生の奈緒(森郁月)に色仕掛けの共謀をもちかけ、瀬川にスキャンダルを起こさせようとする。

■第3話 『もう一度』
高校の同窓会に参加するため仙台へやってきた夏子(占部房子)は、仙台駅のエスカレーターであや(河井青葉)とすれ違う。お互いを見返し、あわてて駆け寄る夏子とあや。20年ぶりの再会に興奮を隠しきれず話し込むふたりの関係性に、やがて想像し得なかった変化が訪れる

監督・脚本:濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』(監督)『スパイの妻』(共同脚本)
古川琴音 中島歩 玄理 渋川清彦 森郁月 甲斐翔真 占部房子 河井青葉
プロデューサー:高田聡 / 撮影:飯岡幸子 / 整音:鈴木昭彦 / 助監督:高野徹 深田隆之
制作:大美賀均 / カラリスト:田巻源太 / 録音:城野直樹 黄永昌
美術:布部雅人 徐賢先 / スタイリスト:碓井章訓 / メイク:須見有樹子
エグゼクティブプロデューサー:原田将 徳山勝巳 / 製作:NEOPA fictive
配給:Incline 配給協力:コピアポア・フィルム 宣伝:FINOR/メゾン
2021年/121分/日本/カラー/1.85:1/5.1ch (C)︎ 2021 NEOPA / fictive

運営団体Inclineについて

我々「有限責任事業組合Incline」は企業・自治体・インディペンデントのチャレンジを事業面とコミュニティ貢献面の両面で成功に導く、全く新しいクリエイティブ・ファームとして活動する団体です。

株式会社MotionGallery
株式会社ねこじゃらし
株式会社NEOPA
株式会社Sunborn
株式会社weroll

の5社が参画し、共同で運営するクリエイティブ・ファームとして、様々な映画・アート・音楽などの企画プロデュースをこれからも行ってまいります。
昨年は、ミニシアター・エイド基金のリターンとして、たくさんの映画作家の方から映画作品をご提供いただき、それらを鑑賞できる配信プラットフォーム「サンクス・シアター」を開設しましたが、今回のバーチャル・スクリーン『Reel』においては、「サンクス・シアター」を開発・運用したInclineのメンバー「株式会社ねこじゃらし」が、その発展形として『Reel』を改修、開設します。DRMによる複製防止技術を採用しています。
HP: https://incline.life/
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